地下鉄名城線の構内アナウンス

日々

Rick said, “You compare favorably to Schwarzkopf.”
“Who are you?” Her tone held cold reserve-and that other cold, which he had encountered in so many androids. Always the same: great intellect, ability to accomplish much, but also this. He deplored it. And yet, without it, he could not track them down.

Philip K. Dick, “Do Androids Dream of Electric Sheep?” (Doubleday, 1968)

 リックはいった。「あなたはシュワルツコップよりもすばらしい」
「あなたはどなた?」彼女の口調には、冷たいよそよそしさがこもっていた──そして、彼がこれまで、大ぜいのアンドロイドの中に見出してきた、もう一つの冷たさも。それは判で押したようにおなじだ。高い知能、すぐれた実行力、しかし、その一方ではこれ。悲しい話だ。だが、それがなかったひには、彼らをつきとめる方法もない。

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』浅倉久志 訳 ハヤカワ文庫

「黄色い点字ブロックの内側でお待ちください、 ○番線に電車が来ます」
名古屋の地下鉄・名城線でよく利用する駅構内の録音アナウンスが、つい最近、女性の音声から男性の声に変わった。

「電車」のイントネーションが微妙に気持ち悪い。標準語としては「正確」のかもしれないが、いささか作為的に聴こえてしまい、「塵も積もれば」という感じで違和感だけがふくらんでしまう。

それに、新しい男性アナウンスの口調には、冷たいところがあって親近感が持てない。フォークト=カンプフ検査にかけたら、すぐに識別できるタイプなのかもしれない。

もちろん、以前の女性アナウンスも男性と同類という可能性がないわけではない。もしそうだったとしても、人肌の温かみを感じるいい声だった。女性アナウンスの声の主は誰だったのだろう。ちょっと気になる。

新しくなった電光掲示板も見づらい。いまのところ、東山線はアナウンスも電光掲示板も従来どおりだが、そのうち変更されてしまうのだろうか。